影山知明さんの本「ゆっくり、いそげ」読了。カフェからはじめる人を手段化しない経済。著者のバランス感覚が伝わる、素晴らしい一冊。

読書

 

こんにちは。つっちー(@24409tsuyoshi)です。

 

 

友人のブログを読んでいて、素晴らしい本に出会いました。

興味のある方には是非、この本を手に取っていただきたいと思ったので、紹介します。

 

 

ゆっくり、いそげ カフェからはじめる人を手段化しない経済

クルミドコーヒー店主 影山知明

 

 

 

 

クルミドコーヒーは、2013年に「食べログ」のカフェ部門で1位になっています。影山さんは、そんなカフェの店主。

影山さんは東大を卒業後、マッキンゼー&カンパニーからベンチャーキャピタルの創業に参画と、ビジネスの最前線を歩んでこられています。

 

さぞや、強力なビジネスの話が満載かと思いきや、この本はそうではありません。

 

いや、ビジネスの話ではあるのですが、従来のファストなビジネス、時間をかけず、労力をかけず、コストをかけず、効率よく生産しお金を稼ぐ、という話ではないのです。

 

それとは真逆の、スローなムーブメント。

グローバル資本主義へのアンチテーゼとしてのスロー、少ない消費で、少ない収入でも充足感を実現する暮らし

 

 

実はこの本に書かれていることは、スローともまた違う。

どちらかに偏るのではなく、この二つの中間の感覚なのです。

 

その中間のバランス感覚を持って、お金だけじゃなくそれ以外の大事なものも、ちゃんと大事にしていく経済の在り方ってあるんじゃないの?と問いかけてくれます。

 

 

読んでいて、非常に優れたバランス感覚を持っている方なんだなと、感じました。

 

「これがダメだから、こっちじゃないか!」というような、押し付け感がなく、ちゃんとバランスを取ったうえで考え、物事をいい塩梅で進めているような感覚を受けました。

 

 

 

消費者的人格と受贈者的人格

 

 

この本の中で、僕がもっとも感銘を受けた部分が、「消費者的人格と受贈者的人格」のお話。

 

 

消費者的人格とは

「できるだけ少ないコストで、できるだけ多くのものを手に入れようとする」人格。つまりは「おトクな買い物」を求める人間の性向だ。

引用:P46 第2章 テイクから入るか、ギブから入るか。それが問題だ

 

 

受贈者的人格とは

人はいい「贈り物」を受け取ったとき、「ああ、いいものを受け取っちゃったな。もらった以上のもので、なんとかお返ししたいな」と考える人格をも秘めている(と思う。)

引用:P54 第2章 テイクから入るか、ギブから入るか。それが問題だ

 

 

クルミドコーヒーでは、ポイントカードのようなものをやらないそうなのですが、その理由がこの「消費者的人格」を刺激したくないから。

 

影山さんの考えでは、「消費者的な人」と「受贈者的な人」がそれぞれに存在するのではなく、一人の人間の中に宿る、どちらの人格を刺激するかによって、表出する人格があると仰っている。

 

クルミドコーヒーでやっているのは、受贈者的人格へのアプローチで、その為には「ギブ」から始めようということ。

 

 

来てくれたお客さんに、お店から良い「ギブ」を贈る。

 

それは、店内の雰囲気かも知れないし、入ってきたお客さんに対しての笑顔かも知れない。もちろん、手間暇かけた美味しいコーヒーでもあるだろうし、お店が存在することで生まれる交流かも知れない。

 

まずはお店から良い「ギブ」を贈ることで、それを受け取ったお客さんが「健全な負債感」を感じる。

 

「いいものを貰ったな。お返ししたいな。」と「健全な負債感」を持った人は、そのお返しをお店にしてくれるかも知れないし、お店でなくとも、誰か他の人に「ギブ」をするようになるのではないか。

 

つまり、「ギブ」から始めて、その「ギブ」を循環させていくことを、実践しているのだ。

 

 

 

 

襷(たすき)を引き継ぐ

 

 

本の最後の最後の部分に、こんな言葉が書かれています。

 

 

そして、いつかこの襷を引き継いでくれるかもしれない、あなたにも。

 

 

そう、この本は影山さんから読者への、「ギブ」なのである。

 

僕はこの本を知れて良かったし、出会えて本当に良かった。

本を好きでいたり、映画を好きでいたりして、年に数回か、何年かに数回こうした出会いを経験する。

 

その度に、すごく嬉しいし感動するし、生きてて良かったと(比喩ではなく)感じる。

 

今回のこの本との出会いも、例外ではなく、そう感じた。

 

 

本の中で書かれているように、「いいものを貰っちゃったな。」というこの感覚を、自分はどこに返していけるだろうか。

そんなことを考えながら、この本を閉じました。

 

この襷(たすき)を僕も、受け取ったと感じて。

どうやって、どんな形で、その襷をリレーしていくのかまだわからないけれど、僕は僕の「ギブ」をしていこうと思っています。

 

また、何度も読み直すことになりそうな1冊です。

 

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つっちー

つっちー

長野県在住の既婚男性。一児の父。 現在は会社に勤めながら、ブログを通してパラレルワークを目論む37歳。 朝の時間を有効に使って、自分の人生を主体的に生きるように奮闘中です。 目下の関心事は、映画と朝活と家庭と仕事のバランスを取ること。